3日目
3日目 (小布施 -> 信濃大町)
9:05 北斎館 10:20 高井鴻山記念館 日本のあかり博物館 おぶせミュージアム 手打ちうどん 竹鳳堂 13:29 北斎館入り口発(町内周遊バス) 13:50 岩松院 14:20 浄光院 15:01 小布施駅着 15:11 小布施駅発(長野電鉄・普通) 15:46 長野駅着 16:15 長野駅発(川中島バス) 17:20 信濃大町駅着 17:22 信濃大町駅発(大糸線・普通) 17:27 信濃木崎駅着 17:40 白馬山麓温泉YH
鉄道移動距離 (小布施 - 信濃大町) 23.2km 累積鉄道移動距離 546.1km
小布施めぐり
7:05起床。7:30朝食。同室の人と初対面の女性が一人。昨日話した女性は私が食事中に出発してしまう。ということは、このYHには計4人が泊まっていたわけだ。9:00にペアレントさんの「また来てね」という言葉を背にYHを出発する。本当にまた来たくなるような、暖かいもてなしのユースホステルだった。
はじめに北斎館を訪問する。ツアーの一団が来たためやり過ごしてからじっくり鑑賞する。画狂と呼ばれた北斎の肉筆画は印象深い。特に波の形と猫の肉筆画が心ひかれる。ビデオで北斎の生い立ちを見る。「七十にして悟り、八十にして云々、…百にして神の如く」という彼の言葉が残っている。九十ちょっとで亡くなる際に、「あと十年、五年あれば完成したのに」と嘆いたそうだ。恐るべき執念。画狂と呼ばれたのもうなずける。
栗の道を通って、次に高井鴻山記念館を訪れる。高井鴻山は北斎晩年のいわゆるパトロンで、自身も画をたしなんでいたらしい。記念館は実際の家を利用しており、階段が急なところや縁側の様子がどこか私の祖母の家に似ている。家の中も見学でき、人がほとんどいないためゆっくり見学できる。中でも、琴の体験ができる部屋といざという時のための隠し通路(抜け穴)が興味深い。
次に日本のあかり博物館へ行く。昔と今のあかりの比較体験ができ、江戸時代のあんどんの暗さに驚く。珍しい照明機器がたくさんならんでいる。
10分ほど歩いて、北斎館、高井鴻山記念館の入館券とセットになっているおぶせミュージアムを見学する。抽象的なオブジェクトや花の絵が展示してあったが、芸術はよく分からない…ミュージアムの外で「神の手」を発見! よく分からないが、神の手という名前に惹かれて写真を撮る。旧石器時代の遺跡の捏造事件で「ゴッドハンド」という言葉をよく耳にしたからだろう。
お昼は北斎館近くの手打ちうどんの店に入る。味はまあまあでやや安い。結構席が埋まっている。うどん屋を出た後、近くの栗屋、竹鳳堂に入る。YHのペアレントさんから、「(今日の宿泊地)木崎湖には夜行ってもおいしいものなんてないよ。それよりだったら栗おこわを買っていきな」と言われていたのを思い出したので、\500の栗おこわ一人前を購入する。それから北斎館入り口のバス停まで歩き、バスで岩松院へと向かう。バスは観光用の循環バスで、周遊券を買うと一日乗り放題。
私以外は町内をぐるっと一周して駅の方へ向かう人しかいない。一人岩松院で下車し、入場券を買って中に入る。バスから降りる人がいない割に混雑しているので、ツアーの観光客かマイカー族が大部分だろう。ちなみに小布施の町は長野県一面積が小さい町なので、駅から岩松院まで歩いても20分くらいしかかからない。町並みや果樹園を眺めながら歩くのもおもしろいかもしれない。
岩松院の目玉である北斎の天井画は見事である。ただし、案内のアナウンスが大きすぎる上、入場券の販売所がすぐそばにあるために、落ち着いて鑑賞することができないのが残念。他にも小林一茶が「やせがえる まけるな一茶 ここにあり」を詠んだと伝えられる蛙合戦の池もあったが、こちらは工事中でよく見えず。というわけで岩松院からは早々と出てしまう。
次のバスが来るまで少し時間があるため、徒歩で近くの浄光院へ向かう。途中の道端には句碑がたくさん並んでいて、おっと思わせるものもある。
浄光院は岩松院と対照的で、小さな土産屋がある以外は人影が見られない。一見乱雑に積んであるように見える風変わりな石段を上った先には、薬師堂が寂しく立っている。ここにも誰もいない様子なので、鐘をならして少し休憩する。私にはこのような静寂の方が合っているのかもしれない。
14:45浄光院からバスに乗って駅へ向かう。乗客はずっと私一人で、気さくな運転手さんと話をする。「独身?」と聞かれて「はい」と答えると、「常光寺の薬師さんをみたのなら、いい縁があるよ」と言われて不思議な気持ちになる。いい縁があると言われて悪い気はしないが、それよりも私は独身ではないように見えるのかなと気になる。おぶせのYHで同室になった人にも30歳くらいに見られてしまったし。いずれ、運転手さんからそう言われて、なんとなくそうなりそうな気がしたのも事実。
信濃大町へ
小布施駅に到着後、15:11発の長野行き各駅停車に乗る。電車がくる直前に、ホームから線路を挟んで向かい側に鉄道資料館らしい建物を発見する。どうやら、改札内に入った人なら無料で行けるらしい。昔の車両が置いてあったのが見えたが、時間がなくて行けない。残念。
15:46長野駅着、地下連絡橋を通って長野駅東口へ向かう。16:15川中島バスの大町温泉行きに乗って信濃大町駅へと出発する。バスはあまり人が乗っていなかったが、女子高生が一人乗っていたのは目がひく。山奥のバス停で降りていったが、こんな所から通うのはさぞ大変であろう。
17:20信濃大町駅到着、すぐに駅に駆け込み、改札の人に「急いでください」と促されながら、17:22信濃大町駅発南小谷行きに乗る。バスのダイヤ上間に合わないと思っていたが、奇跡的に間に合った。5分ほどで信濃木崎駅に着き、10分少々歩いて白馬山麓温泉YHに到着する。ペアレントはおじいさんで、持ち込んだゴミは持ち帰ること、部屋の中で飲食をしないこと、と言われる。雰囲気は一日目に投宿したYH宮川旅館に似ていて、やはり旅館と兼業らしい。
同室の人は埼玉から来たという大学3年のライダー。新潟まで行って船で北海道へ渡り、北海道を一周するという。まくらや座布団など、ものすごい荷物を抱えていた。某恋愛アニメの舞台が木崎湖周辺ということで、その方面が好きな人は海ノ口という駅など木崎湖周辺に集まるそうだ。同室の人も写真撮影のためにわざわざ寄ったということで、夕食後撮影に出かけていった。
YHの風呂は本物の温泉(葛温泉という別の温泉から湯を引いてきていると後で聞いた)。他にだれも入っている人がいなかったので、快適に入ることができる。人がいないとリラックスできていい。温泉から上がった後、同室の人にツーリングマップを見せてもらって雑談をしてから、10時頃就寝する。