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4日目

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Japanese / English

4日目 (信濃大町)

 8:05 YH出発
 8:21 信濃木崎駅発 (大糸線・普通)
 8:30 信濃大町駅着
 9:15 テプコ館到着
      高瀬ダム見学
11:45 テプコ館出発
12:25 信濃大町駅着、昼食
13:30 山岳博物館
15:05 信濃大町駅発 (バス)
15:20 大町温泉着
      富永一郎おおまち漫画廊
      大町郷土玩具博物館
      酒の博物館
17:11 大町温泉発 (バス)
17:30 信濃大町駅着、夕食
18:39 信濃大町駅発 (大糸線・普通)
19:00 YH着
鉄道移動距離 ( 信濃木崎 - 信濃木崎 )  8.6km 
累積鉄道移動距離                    554.7km

高瀬ダム

7:00に起床、朝食。連泊だが部屋が変わるということで、荷物を移動させてから8:05に出発する。信濃木崎駅から大糸線に乗って、信濃大町駅へ向かう。

YHの部屋

長野に旅行しようと思った理由の一つは、黒部ダムを見学すること。ただ、信濃大町−黒部ダムは往復するだけでも\5,160もかかってしまう。旅行前、これは高いな・・・と思っていたら、交通費ただで見学できる「高瀬ダム」を発見。黒部ダムは関西電力が管理しているが、高瀬ダムは東京電力が管理していて、高瀬川テプコ館から無料の見学ツアーが出ている。こっちの方が安上がりだし、時間もかからないし、マニアックでおもしろそう、というわけで、黒部ダムには行かずに高瀬ダムへ行くことにした。

地図

下が信濃大町駅、中央が高瀬川テプコ館、左上が高瀬ダム。東京電力のパンフレット「高瀬川の水力発電」より。

駅でレンタサイクルを申し込む。駅のホームに何台か自転車が置いてあって、その中から電動自転車を借りる。電動自転車初体験だが、少しこいだだけでぐっと加速し、非常に楽。信濃大町駅から高瀬川テプコ館までは5kmほどの距離で、集合時間の9:30に間に合うかどうか心配したが、電動のおかげであっという間に高瀬川テプコ館に到着する。

高瀬川テプコ館

乗ってきたのは黄色い自転車。

9:25頃、見学のマイクロバスがやってくる。見学者39人が2台に分乗して出発する。黒部ダムと違ってマイナーなダムなので見学する人がほとんどいないかと思っていたが、思ったよりも参加者が多い。添乗員は陽気なおじさんで、(参加者の多くが中年女性であったためか)冗談を交えながら車窓に映る景色を解説していく。それにしても、途中の景色も非常にきれい(特に川が)。

バスは県道を走った後、途中から東京電力の管理道路に入る。ここからは歩行者とタクシーのみ自由に通行できる。槍ヶ岳への登山ルートになっているため、時折登山者が通るらしい。トンネルをいくつか抜けると、高瀬ダムの天場(ダムの堤の頂上)の麓に出る。天場背面は石が敷き詰められていて、ダムにたまった水の水圧を支えている。ここからの道路がすごい。世界で唯一という、天場背面道路を上って、右左を何度も往復して天場頂上まで上がる。

下から天場を見上げる

敷き詰められた石をよく見ると、道路が見える。この向こうにダム湖がある。

ダムの断面図

東京電力のパンフレット「高瀬川の水力発電」より。

天場でバスを降り、10分ほど自由時間。右はダム、左は谷が見え、風が涼しい。紅葉の時期の眺めは世界一、と添乗員のおじさんが言っていたのも頷ける。

天場から道路を眺める

左端に見えるのは作業車。

ダム湖

きれいの一言。

天場

左が背面、右がダム湖。

天場のトンネル

再びバスに乗り、今度は山の中に作られた発電所の見学をする。よくこんな設備を山の中に作ったものだと感心する。

発電所

11:45にテプコ館に戻り、再び自転車で信濃大町駅へ向かう。

信濃大町駅への道すがら

高瀬ダム方面を望む

山岳博物館

信濃大町駅ホーム

自転車とお別れ

12:25に自転車を駅に返す。駅の2Fにある大衆食堂でカレーを食べ、13:00に山岳博物館へ向けて出発する。

信濃大町駅

ガイドブックによると、信濃大町には博物館巡りの人が多く訪れるらしい。ただ、実際には駅前以外は観光客の姿は見あたらず、人気のない坂道をてくてく歩く。あまり目立たない場所に山岳博物館という看板を発見!、やぶの中の小道を抜けると視界が開け、大町市街が一望できる気持ちのいい場所にたどり着く。こんなに眺めがいい場所なのに誰もいない。東屋があったので小休憩と記念撮影(もちろんセルフタイマーです…一人なので)。

山岳博物館の看板

右が博物館への散歩道。

山岳博物館下

大町市街が一望できる。

東屋からさらに1分ほど上り、山岳博物館にたどり着く。実は山岳博物館にはちょっとした思い入れがある。中学校の頃読んだある小説で、「列車で旅する登場人物たちが、悪者がねらう手帳を山岳博物館に展示してあるマネキンに隠す」という場面が出てくる(これだけのヒントで小説名、分かりますか?)。単に博物館巡りが好きというのもあるけれど、何となく山岳博物館に来てみたくなった理由は昔読んだ小説のせいかもしれない。

山岳博物館の入場チケット

山岳博物館のパンフレット

何はともあれ、展示してある登山の歴史はなかなか興味深い。道具についての展示も数多くあり、ピッケルは見たままの用途以外に体のバランスを保つなど、多目的の用途に使われるらしい。博物館2Fにははく製が所狭しと並んでおり、3Fは展望台になっている。建物の一部であるせいか、標高が少し低い先ほどの東屋に比べると展望台からの眺めは見劣りする。その見劣りする眺めを周りでツアー客がすごいすごいと言っているのを聞くと、なんだか得した気分になる。もし自分が耳をすませばの主人公なら、雫をあそこに連れて行くだろう(おっと話が脱線)。

山岳博物館の隣には付属園があって、傷ついたりして野生に戻すことができない動物を保護している。ニホンザルやネコの類がいたが、どれもあまり元気がない。山を下り先ほどの東屋で休憩を取った後、信濃大町駅へ向かう。

大町温泉郷

次の目的地は大町温泉郷。出札口で切符(硬券!)を買い、バスに乗り込む。遅れてきた観光客が出札口で手間取っていたため、5分ほど遅れて15:05発車、15分ほどで大町温泉郷に着く。

大町温泉郷は田舎の商店街を少し大きくしたような印象。ここへ来たのは温泉が目的ではなく、温泉郷一帯の博物館を巡るため。バスから降り、幹線道路沿いを北西方向に向かうと、富永一郎おおまち漫画廊が見えてくる。旅館が漫画廊を運営していて、フロントで入場券を買って中に入る。こぢんまりとしているが、絵はユニークでおもしろい。夫婦の機微を描いた絵が多い。

富永一郎おおまち漫画廊の入場券

漫画廊を出て、少し道に迷いながら向かう先は大町郷土玩具博物館。信州だけでなく全国の玩具が展示してあり、見覚えのあるものもある(「カタカタ」など)。こけしの表情が地域によって全然ちがうのもおもしろい。次に隣の酒の博物館、全国津々浦々の酒の一升瓶が県別に並ぶ光景は圧巻。利き酒のコーナーもあり、白馬錦がおいしかった。付属の売店で小さい小瓶をおみやげに買う。

酒の博物館の入場券

酒の博物館

日本全国の酒、酒、酒。

そろそろおなかがすいてきたと食堂を探したが、いい店がなかったため駅へ戻ることに。17:17のバスで信濃大町駅へ。それにしても大町温泉郷から信濃大町駅まで10分ちょっとしかかからないのに、バス運賃500円というのは高すぎる…観光地料金か。信濃大町駅に着いたあと駅近くをぶらぶら歩き、塩の道通りという小繁華街でうどんと親子丼のセットを食べる。値段の割に量があり、味は(薄味をのぞけば)まあまあ良い。18:39信濃大町駅発の南小谷行きに乗り、信濃木崎で下車、他に18切符らしきグループも降りる。19:00YH到着、今度は一人部屋&テレビ無料で、昨日の部屋とは打って変わってグレードアップの感がある。疲れていたので、早めに就寝する。